お気に入り女優で観た映画特集 エリザベス・バンクス編

早速ですが1本目は『恋するポルノ・グラフィティ』。

セス・ローゲンとW主演!『40歳の童貞男』を彷彿とさせる組み合わせですね。セス・ローゲンとは腐れ縁の友達関係で、同棲しているが恋愛感情はなし。二人とも冴えないわ貧乏だわで、ある日滞納が限界にきてライフラインがすべて止められ、生活に困った矢先、二人でポルノを作って金儲けすることを思いつくっていう話です。これだけ聞くと暗くて重い感じですが、この映画はラブコメ。二人ともノリノリでやるわけなので、観てるこちらも安心して観れます。
爆笑したのはいよいよ撮影されることになった、エリザベス・バンクスセス・ローゲンのセックスシーン。配達屋に女が欲情してセックスへ、という男ならみな既視感を覚えるベタ中のベタなポルノのパロディをします。2人は当然ただの素人で超大根、ろくに打ち合わせもしてなければまともな脚本もないので余計にぐだぐだ。ポルノらしくエロい腰の振りを真似ているのがルンバを踊っているようにしか見えない。下着を脱がそうとするけどややこしいのでそれぞれ自分で脱ぐ。エリザベス・バンクスはパンツを投げつけ「ばばパンよ」!ださい!居心地悪い!最高!!その後、エリザベス・バンクスが床に置いてある物につまづくところは本当に意図していなかったようでまた笑える。笑
で、このギャグシーンの直後、本当にセックスするんですが、これがいたく感動的。確かにそこに愛があるセックスになっていて、前のシーンで撮影したポルノらしいポルノのセックスとは一線を画するものを感じさせる。セックスで愛に気づくんです。撮影が終わって、1人になったエリザベス・バンクスが横になって思わず笑顔になるところは素晴らしかったです。エリザベス・バンクスのおっぱいは最後まで映りませんが、そんなことはいいんです。彼女が全編下ネタみたいな映画に出てくれる、セス・ローゲンと組んでバカなことやってくれるだけで幸せです。僕はこの映画が大好きになりました。人には薦めづらい種類のものではありますが…。特典が観たいのでDVD欲しいです。
(邦題、恋する〜ってもうやめませんか?)


続いて2本目、『スリーデイズ』。

家族で平穏な日々を暮らす中、突然妻が殺人容疑で逮捕され刑務所に収監される。それから3年、夫は彼女の無実を証明するため奔走していたが、現場状況や証拠からは彼女以外の容疑者が浮かばず、殺人罪が確定。絶望し自殺未遂を起こした妻をみて、夫は彼女の人生を取り戻すために脱獄計画を立てる…あらすじはこんな感じです。
ラッセル・クロウは『3時10分、決断のとき』の役がものすごくかっこよくて、すぐに彼の他の出演作を借りにいってしまったほど一時期ははまっていました。彼が夫役で、言うまでもなく妻がエリザベス・バンクス
夫は大学の教授で、脱獄のスキルなど当然皆無、いわばそういう意味で「普通のおじさん」です。『96時間』のリーアム・ニーソンならともかく、彼は「普通のおじさん」ですから、当然失敗もするし、他の映画のようにサクサクといかない。練りに練った脱獄計画がスタートするのは2時間超の映画のなかのラスト40分くらいからで、それまではひたすらトライ&エラーを繰り返して一歩一歩妻の救出に近づいていく、ここがこの映画の面白さになっています。
そのリーアム・ニーソンが彼に”how to 脱獄”を伝授する人物として登場しますが、ここでのやりとりは大変印象的でした。彼は「なぜ捕まったのか?」という問いに、「毎日ドアを蹴破られる不安に襲われるのに疲れたからだ」と返す。脱獄が成功しても、不安からは逃れられないんだと。ラストシーン、家族で国外脱出して不可能と思われた妻の脱獄に成功したにも関わらず、ラッセル・クロウは1回も笑顔を見せません。さきの台詞が効いた良いエンディングだったと思います。
さらに、「脱獄をやる以上は情けをかけるな。」「脱獄のために無実の人間を殺せるか?」「走るのに邪魔な老夫婦を突き飛ばせるか?」と彼は言われる。ラッセル・クロウが大学の抗議で話す、『ドン・キホーテ』の解釈は彼の台詞を受けて、理性を捨てて狂気の域に入る決意を固めたことを感じさせるシーンでした。その後、夫は脱獄のために犯罪行為を重ね、相手がヤクの売人とはいえ殺人まで犯しますが、僕はそれを否定的にみることはできませんでした。「たとえ世界が敵でも、俺はお前の味方だ」って既視感MAXな台詞ですが、それを貫き通しているわけです。そんな男を、誰が、否定できようか!!男の中の男ですよこいつぁ…!
と、感想をまとめていて結構面白い映画だったような気がしてきましたが、観てるときはそうでもなくて、期待はずれ感があったというか。まず、「アクション」映画だと思っていたし、「刑務所から」妻を脱獄させるものと思っていたからですたぶん。あとは逃走中の警察の動きが悪すぎね?ってのも違和感でした。最後、刑事たちが現場にいって証拠品であるボタンを探すんですが、その日は雨が降っていて、事件当日も雨だったことを思い出す。で、「ボタンが落ちる→水たまりに流される→排水口に落ちる」っていうことにそこで気がつく。しかもなんとボタンはあった!が、気づかず終わる。ってこれ警察だめすぎだろ!このくらいのこと事件直後にやっておくべきだろ!とツッコミを入れたくなります。ここで結局妻は犯人ではなかったとわかるんですが、このシーンは夫がやってきた公序良俗に反する諸々のことへのエクスキューズを入れたかったんだろうなと思われます。「確かに彼は悪いことしたけど、でも奥さんはほんとは無実だったんだから、ね?」みたいな。個人的には、結局妻は無実なのか否かうやむやにしておいたほうが、より夫がしたことの”狂気感”が立つし、彼がやったことは許されるのか否か余計モヤモヤするような終わり方になって、そっちの方が良かったんじゃないかなーと思います。
そんな文句はあるわけですが、男のドラマものだったと考えるとこれは結構面白い映画だったんじゃないかなと。あ、あとYouTubeで車の鍵の開け方とか勉強するのが今っぽくて面白かったなー。
ちなみにこのエリザベス・バンクスはまあまあという感じでした。特に彼女である必要性は感じず(『恋するポルノ・グラフィティ』的なイメージに囚われている可能性大)。最後、車から飛び降りようとするシーンは…あれなんだったのでしょう。ちょっと笑ってしまいました。なんか急に仰々しい演出になって、首グイーンって。モラン・アティアス演じる巨乳歯科医の義妹のキャラは良かったですね。義兄一家が逃走中に尋問のため警察署に呼ばれているそんな緊急事態のなか、刑事にむかって「Excuse me. Do you call this coffee?(ねえ これでもコーヒー?)」ってコーヒーにケチつける。笑(1:57辺り)

あと親父も良かったなぁかっこよかった…。この映画の親父のように、決してはたからみて仲が良いわけでも距離が近いわけでもない息子を理解してくれる、そんな親父が出てくるだけでその映画が何倍か増しで好きになってしまいます。

最後にモラン・アティアスをもう1枚↓

人間の形をしたセクシー。ピース!

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エリザベス・バンクス出演作のなかで、これもなかなか面白そうで気にはなっているんですが、老夫婦のラブストーリーものってなんか手がでないです…。

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いろいろ観たけどやっぱこの映画のラッセル・クロウが一番かっこいいです。
ラストシーンは男泣き!