『キャビン』
鑑賞:2013/03/11
原題:The Cabin in the Woods(2012/アメリカ)
監督:ドリュー・ゴダード
脚本:ドリュー・ゴダード、ジョス・ウィードン
製作:ジョス・ウィードン
出演:クリステン・コノリー、クリス・ヘムズワース、アンナ・ハッチソン、フラン・クランツ、ジェシー・ウィリアムズ、リチャード・ジェンキンス、ブラッドリー・ウィットフォード、シガニー・ウィーバー
★★★★★
初のホラー映画劇場鑑賞。友人たちとTジョイ博多に観に行って来ました。
最近になってホラー系も観るようになり(『ドーン・オブ・ザ・デッド』『ホステル』『スペル』『エクソシスト』の4本くらい)、映画秘宝などからこの映画の良い評判を聞いて映画館で観ることを決意。
前知識全然ないけど大丈夫かなーとか、高校生のときに友達と『呪怨』を観て本気で怖くて、その後1週間引きずり、風呂にも入れず、何をするにも怖かったほどのトラウマがあって不安もあったのですが…楽しかった!!
それも若者が地下室でそれぞれ化け物を引き寄せるトリガーを手にした時…「ゾンビ」を選択してくれたおかげだと思います。笑
Jホラー的幽霊なんかを引いちゃったらもう…『キャビン』なんか観るんじゃなかったちくしょう、と思うことになったでしょう。
そしてゾンビに次々と殺されていく若者。
組織は「ホラー」をやっているわけですから、殺される順番が決まっている。
つまり、こいつ死にそうな奴だなーって奴は狙って殺されており、生き残りそうな奴も生かされていたりすると。
だから、ホラー映画でなんで単独行動するんだよ!みんなでまとまって動け!!とかツッコミたくなるのを、この映画ではちゃんと単独行動させるように「薬」で仕込んでいるのだ、と説明されていました。
この辺素直にうまいな〜と思いました。
まあ若者サイドには雷神ソーがいるんだからゾンビくらいなんでもないとは思うんですが…(アベンジャーズ鑑賞直後のためクリス・ヘムズワースが神にしか見えなかった)
予告編で、この事態をコントロールしている、『トゥルーマン・ショー』のような管理組織みたいのがいるってことはすでに分かっていたのですが、序盤からこの組織の様子がばんばん映って、後半に実はこういうことでしたーみたいになっていないのがすごく良かったです。
で、この組織の様子がすごくムカつくんですよね。
彼らがどのモンスターを選ぶことになるのかで賭けやったり、若者たちが思うように動かないとモニターに向かって「fuck you」言いまくるし、カップルが森の中でコトをはじめようとすると他所の部署のやつも集まって見入ってたり、もう不謹慎。笑
上手く事が済んだあとは音楽かけて酒飲んで盛大に打ち上げるしね!
若者たちのシーンではホラーをやってる分、こっちのシーンは基本的にギャグなのでいい緩急がついてて笑える。
この調子!
が、例え全人類を救うためにやっていることとはいえ、罪のない若者を恐怖のどん底に陥れて、痛めつけ、殺しているわけで、やっぱり腹立つんですよ。このおっさん共に。そのノリに。
死んだ女の子に祈りを捧げてたりしていましたけどね。罪悪感なんて微塵も感じてない様子で。
そして終盤!!
相手の本拠地に乗り込んだ若者2人が閉じ込められていたモンスター達を一気に解放!!
エレベーターから狼男やらアナコンダやらゴーストやらJホラー的幽霊やら大サソリやら大グモやらItっぽいピエロやら元ネタもわかんないようなモンスターが次々に溢れてきて管理組織の兵や職員を皆殺し!!!
これぞカタルシス!!!
エレベーターホールが血で真っ赤に染まった映像なんて、本当に素晴らしい…美しい…と溜息をもらすほどでしたよ!!
この瞬間が味わいたくて俺は映画を観てるんだ!!!ってやつを、映画館で味わえる、もう至福です。
これの元ネタが一番気になった…
瀕死の人間をただ追いかける女の子。シュール。
で、この後どうなるのか…と思っていたら、シガニー・ウィーバーが組織の監督官として登場。笑
最近やたら大オチ要員となってませんか?またかよ!って思いましたよ。いやこのノリで出てくれることに喜んでるんですけどね。
そしてここからの展開も( ・∀・)イイ!!
「処女」であって生き残っても良い女の子が、仲間を殺して「古きもの」を封印することになるのか…ならない!!しかも処女じゃ…ない!!笑
結局「古きもの」は蘇っちゃって、最後、その巨大な手が地面を割って出てきたところで映画は終了。
この展開で良かったんじゃないかなーと僕は思います。
封印する→めでたしめでたし、ってほうがつまんないし、全人類が滅ぶかもしんないけど、こいつらの思うがまま事を運ばれて死ぬのは癪だろ!!って。
ミルトンの『失楽園』に描かれるルシファーの、「服従よりも自由に戦って敗北することを選ぶ英雄像」を連想しました。
まあ狼男が出て来なかったら男の子は撃ち殺されていたかもしれませんが。笑
あと、今までのホラー映画というのは管理組織が操作していたものとは言え、モンスター達は実在するんだ、という点にも僕はぐっときました。作り物じゃないんだと。
ちゃんとこれまでのホラー映画にリスペクトを捧げているというか。そういう気がして嬉しかったんです。(全然ホラー映画観てないくせに。)
少し注文をつけるなら、もっとモンスター達が大暴れしてるとこを1つ1つじっくり観たかったなーとか、最後に出てきた古きものが直前に予告で観た『ジャックと天空の巨人』の巨人にしか見えなかったとかなんとかありますが、そんなことはいい!
「単独行動するように仕向ける薬って何?」とか設定などなどに突っ込むのは野暮!!
世界同時多発的にホラー映画的展開が失敗していくのはなんで?と一瞬疑問が湧いたけど、これは、現実に、この手のやり方はもう出尽くしていて、もはや観客には通用しないんだよーということを暗に示しているのかなーとかちょっと深読みしちゃいました。
と、いうわけで『キャビン』、超面白かったです!!やっほう!!
(追記)
元ネタ、いくつかこのサイトに上がっているようです。
http://thecabininthewoods.wikia.com/wiki/The_Cabin_in_the_Woods_Wiki
「Cabin in the Woods」にカーソルを当て、下の「Monsters」をクリックするとモンスター一覧が出ます。(84項目も!)
見たい項目、例えば僕が気になっていた「American Slow-Walking Creepy Girl」のInspirationを見ると「F.E.A.R」というゲームが元ネタなんじゃないかと書かれてます。
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残念ながら未見です…これから観ます!
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これもホラーかもしれない!
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がそいつらは超気の良いヤツだった!
メタ・ホラー・コメディ。大好きな映画。
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これも超大好きな映画です。