『ムーンライズ・キングダム』
鑑賞:2013/03/04
原題:Moonrise Kingdom(2012/アメリカ)
監督:ウェス・アンダーソン
脚本:ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ
製作:ウェス・アンダーソン、ジェレミー・ドーソン、スティーヴン・M・レイルズ、スコット・ルーディン
出演:ジャレッド・ギルマン、カーラ・ヘイワード、ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、ジェイソン・シュワルツマン、ハーヴェイ・カイテル、ボブ・バラバン
★★★☆
ウェス・アンダーソン監督の新作。こちらも本当に大ファンで、中でも『ロイヤル・テネンバウムズ』が一番好きなんですが、劇場鑑賞は初めてということで、『ジャンゴ』よりも高い期待をもってTジョイ博多に観に行きました。
が、これもまあまあ面白かったかなという感じ…。
まず、最初に写されるスージーの家のシーン、ひじょーにウェス・アンダーソンらしい写し方(『ライフ・アクアティック』でやってたような、家を輪切りにしてカメラが横に上に動いて部屋のつながりを見せていく…みたいのがあった気がする)、小道具のお洒落感たっぷりなんだけど、あれ…?なんか違うと感じてしまった。当然、そういうとこも気に入ってウェス・アンダーソンのファンになったんだけど、妙な違和感をこの冒頭からずーっと感じていました。未だにそれが何なのかわかっていないけど、これまでにないほどお洒落感を強調していたからか、自分が比較的最近はきつい描写をする映画も好むようになったからか、臭く、くどく感じてしまいました。サムが乗るボートの先頭についてるキツネを後ろから写したのとかは超かわいかったけど。
それと、各々のキャラクター描写が浅いんじゃないかと。例えば、スージーが風呂に入っているそばにお母さんがいて、2人で話しているシーン。ここは、スージーがマーゴ(グウィネス・パルトロウ)に似ていることもあって、『ロイヤル・テネンバウムズ』の風呂に浸かるマーゴと風呂場のドアの前に立つラレイ(ビル・マーレイ)との会話シーンを連想しました。そのシーンと比べてると、台詞がなんというか…詰めが甘い。スージーは親に手が掛かる困った子と思われていて、スージーはそのことを知ってしまったし、母はスージーがそれを知っていることを知ってしまった。そして、ここで母娘の会話…!どう来る!と思っていたら、母がぼそぼそ、とさらっとしゃべって終了…あれっ?肩透かしを食らうとはこのこと。
他にもこういうような、惜しいシーンが色々あったと思うんだけど、もう覚えていません。とにかく、それぞれがもう一言しゃべるだけで大分良くなるのに!!と本当に惜しい!と思ってしまいました。台詞じゃなくて、仕草でもいい、もう少しそれぞれのキャラクターを掘り下げれるようなところが欲しかった。ので、なんとなーく薄い印象の映画になってしまいました。
と、まあ高い期待値からネガティブな印象が先行してしまいましたが、好きなシーンももちろんありました!ムーンライズ・キングダムの海岸でサムとスージーが踊り出すところとかね!サムの思わぬはっちゃっけっぷりに笑ってしまいました。
泣けたのは、逃避行したサムとスージーを捕まえにくる、他のカーキ・スカウトのメンバーが彼らの境遇を知って、助けてやろうと話すシーン。
お前ら…良い奴やないかぁぁ〜!!(泣)
あっ、そういえばPeanuts好きの僕としては犬の名前がスヌーピーだったことに、やっほう!!俺も犬を飼うことになったらスヌーピーって名前つけよう…!とか考えたりして非常に楽しかった(?)んですが、急な展開で殺されちゃってものすごく萎えましたね…
まあでも、『ロイヤル・テネンバウムズ』でもラリったイーライが乗る車が犬を轢き殺しちゃう、みたいな展開がありましたし、ここはウェス・アンダーソンらしいところなのかもしれません。
犬に恨みでもあるんでしょう。
今回はいつも以上にファンタジーみたいな感じ。やっぱりウェス・アンダーソンは大人、特におっさんにスポットを当てたほうが絶対面白くなる。今回だと、ブルース・ウィリスとエドワード・ノートン、あとビル・マーレイもかな、この3人が掘り下げ甲斐がある良いおっさんだったんだけどね〜。今回は子供メインの映画を作りたかったんだろうけど、この3人の話ももう少し膨らませて欲しかったよ。その辺も、僕があまりこの映画を好きになれなかった理由だと思います。
もう1回観たら、もしかしたら大分印象が変わって、名作!とか言い出すかもしれないけど。
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