『ウィ・アンド・アイ』


★★★★

この映画の存在を知ったのは、以前から度々読ませて頂いているrino5150さんのブログ、「The Cinema Show」にて、『俺と「ウィ・アンド・アイ」』(http://d.hatena.ne.jp/rino5150/20130429/1367242421)の記事を読んだときでした。
その中で昨年のマイベスト『桐島、部活やめるってよ』と共通する部分があったり、というところまで読んだところで「これは観に行こう!」と決めたのですが、その時は福岡での公開がだいぶ先のことで、先日ようやく観れたのでした。

まず、ミシェル・ゴンドリー監督作品は映画として好きかどうか微妙なラインで、オムニバス映画『TOKYO!』を観たときに、映画を撮るならやっぱり短編向きじゃないかなぁと思ったりしたのですが、有名MV監督でもある彼の映像はやっぱりどこか目を惹かれる部分があったりして、ついつい気になってしまうものであります。
これはMVですが、Chemical Brothersの『Star Guitar』のMVが、電車の中から流れていく外の風景を眺めながら、通りすぎて行く建物やうねるような電線の動きを見てはなにか想像せずにはいられない、そんな感じの遊び心を見事映像化してくれたような映像で、音楽とのシンクロ具合がとても気持ち良くて大好きです。

他にも、カイリ・ミノーグの『Come into My World』だったり、ジャミロクワイの『Virtual Insanity』だったり、「どうやって撮ってるんだろう?」と思わずにはいられない、1回観ただけで強烈に記憶に残るMVを数多く撮っていて、すごいアーティストだなぁと思います。

そんなわけで、今作『ウィ・アンド・アイ』ですが、『桐島』と同じように、様々なタイプの、ヒエラルキーのいろんな位置に属す高校生たちが主人公で、彼らの関係性やドラマを、学校ではなく下校バスを舞台として描いたものでした。
ところどころグッとくるところがあったり、ラスト周辺は自分でもよくわからない涙がこぼれたりしたのですが、自分の中で感想がうまくまとまらなかったり、結局『ウィ・アンド・アイ』ってどういう意味のタイトルだったんだろう…とかわだかまりが残っていたのですが…
前述したrino5150さんの、『俺と「ウィ・アンド・アイ」』が本当に素晴らしく、ぐちゃぐちゃに絡んでいた糸がスル〜と解け、なるほど〜!と深く納得いたしました。

ここまで書いておいて何なのですが、ほんと、この映画を観られた方はこれを読むよりぜひそちらを読んで頂きたいです。

>”Weの中のI”じゃなくて”I”として自分を見てくれる誰か。そんな誰かの存在が、この世界を生きていく上での一つの支えになったりするんじゃないかな。

特にこの一文に深く頷きました。僕が思わず泣いてしまったのはまさにこの部分に触れるシーンであり、涙の理由がわかった気がしました。僕自身もまだ大学生とはいえ、たまに社会の中の自分”Weの中のI”と”I”のズレに苦しくなることがあり、時折存在する”Weの中のI”と”I”が同じなんじゃないかと思わずにはいられないような人、または何の苦もなく”Weの中のI”を演じられるような人を見ては、強いな、自分もああいうふうにありたい。その強さが羨ましい…と思ったりすることがあります。相手が好きな人物であったりするとギャップに苦しむことは少ないのですが、嫌いな人物相手に振る舞うときに特にそう感じます。後で自分の言動を振り返って、ああ、だっさいな俺…とかとか思っちゃったり。
僕は今大学生だから生活の中で相手を選ぶ余地が十分にあり、唯一選べないような研究室やバイト先の人たちも皆好きな人たちばかりなので、今は良い環境に恵まれているのですが、今後社会人として社会に出て行く頃にはそうもいかないのだろうな、と考えると気が重いですね。変に肝っ玉は小さいくせに、”I”を隠し通すことに我慢できなくなってたまに噴出してしまうことがあるので、その辺り怖くもあります。が、「ああ、だっさいな俺…」とできるだけ思わないような生き方をしていきたいものであります。

話がずれましたが、”Weの中のI”を演じる大半の我々にとって、”I”として自分を見てくれる誰かの存在はやっぱりとんでもなく大きいものだと思います。それは自分の「弱さ」をわかってくれた上で自分と付き合ってくれている、その喜び、安堵感じゃないかなと。この映画のように”Weの中のI”として振る舞うなかで、心の中では「ごめん…ほんとはそんなつもりはないんだけど」って思いながらもその人物を傷つけてしまうかもしれない。例えば会社では妻の事をネタに笑いをとりつつも、実はその場を沸かせるために言ったことで本人に妻への不満があったりするわけではない、というようなことがあるものだと思います。他にも、友人の前での彼女に対する扱いと、二人きりのときの接し方が違っていたり…。この映画では悪ガキが思いっきりいろいろやっておきながらも、最後には分かってくれる女の子がいるという、その寛大さに驚きつつも、「彼氏と彼女」の関係性ではないからなのだろうな、と自分を振り返りつつ思ったりしました。(それにしてもイジメの部分はそこそこにやりすぎでは?と思わずにいられない。エンドロールで二人でにこやかに話していたけどちゃんと謝ったんだろうな!)

そんなわけで、rino5150さんのブログを読んで知った『ウィ・アンド・アイ』、鑑賞後も映画の理解に大いに助けて頂きました!

ここから、『ウィ・アンド・アイ』鑑賞直後に思ったしょぼい感想を少し書いてみたいと思います…。
まず、アメリカの高校怖ぇー!!乱射がどうとかそういう話ではなく、日本じゃ考えられないアクション(言動)の連続。日本でいうイジメって、陰湿なイメージがあるものですが、みんなの目の前で普通にやるんですよね、アメリカ。なんでしょう、度を越えたイジリっていうか、思いっきりやるんですよ、なんかいろいろと。あとキスとか性的なもののハードルが低い低い!「あんたなんでここにいんの。あっちいってよ」「キスしてくれたらあっち行ってやるぜ」「仕方ないわね」ぶちゅーってええ!!!
ティーンもの映画を観てはアメリカの高校生になりたいと常々思っていましたが、あちらの高校で生きていける気がしなくなりました。ザ・戦場!!って感じですよ!!たまたま乗り合わせたおばあちゃんやおっさんまで手にかけるし!!恐ろしい!!
ゲイのカップルが周りに受け入れられているような感じでしたし、割とリベラルな方の地域だと思うのですが、頭はそれほど良くないような人たちが多かったイメージ(率直な感想)だったので、進学系の高校ではないんでしょうけども…。

一方、それと共通する部分ではありますが、何でも明け透けに言う文化っていうのには惹かれるものがあります。最後、沈黙を貫いてきた男の子が、かなり鋭い洞察力を持っていて悪ガキ男子と打ち解けたか…と思ったら言いたいことをズバズバと言い放って去っていくのですが、そこまで言うか…!とショックを受けつつも、日本で我々が他人の言動からじわじわ伝わってくるようなことを、こうもストレートにはっきりとグサグサ言われるのは悪いことではないように思いました。これはこれで生きやすいんじゃないかと。あの男の子は恐らく”Weの中のI”と”I”が同じである側の人間ではあるけれども、単純に「言いたいことを言う」土壌があるということは健全な環境であるように感じます。それによってダメージを喰らうことも多々あるとは思いますが、それでもやっぱりそういう部分に惹かれる自分がいるので、アメリカの高校生になりたいな、と相変わらず思うのでした。

『サイレントヒル:リベレーション3D』


★★★☆

毎度おなじみですが更新の時間がだいぶ遅れてしまいました…。
最近ようやくいろいろ決まったり動き出したりして、若干忙しくなったり、小遣い程度ですが懐が潤ったりして、時間の都合さえ合えば観たい映画は迷わず観れる!という状態になりました。やっほい!!
そんなわけですっかり『パシフィック・リム』熱に浮かされ、初めて同じ映画を映画館に4回観に行ってる(あと2回観るかも)わけですが、その前に観た映画を先に書きますよー!


遡ること『風立ちぬ』を観た翌日、更なる睡眠不足で足がふらつきながらも、飛行機に乗るまで時間があったので当初の予定通り映画を観に行くことに。
最初は名画座で2本立てを観るぞ!と意気込んでいたのですが、泊めてもらった友人宅から遠く、体力的にキツかったのでまたしても新宿へ…そして気づけばまたしてもバルト9へ向かっていました…。
ホントに便利ね!バルト9って!快適だし行けばなんか観たいのやってるからね!!よっバルト9!!
ということでスケジュールも調べていなかったので、時間の合いそうな映画をみると2本、『ワイルド・スピード EURO MISSON』とこれでした。ワイスピと変に縁がある気がしているのですが、ちゃんと事前に前作を観ていた『サイレントヒル:リベレーション3D』を観ることにし、今度は1時間半強2階の座れるとこで時間をつぶしていざ劇場へ。

一言、楽しかった!!です!
うん、これに尽きる!!
正直ストーリーを説明しろと言われたら口ごもること間違いないのですが、とにかく「楽しかったなぁ」という思い出があるのです。前作に比べ、確実にストーリー面での「引き」はほとんどなかったように思いますし、楽しんで観てた割に中盤睡魔が襲ってきて数分程度寝てしまったのですが、『風立ちぬ』の時とは打って変わって、目覚めて「あれ…?ここどこ?誰これ?何の話?」となることなど一切なく、何ら支障をきたさないほどストーリーはほぼ「無かった」と言っていいかと思います。

とにかく、『サイレントヒル:リベレーション3D』の魅力はひとえに『サイレントヒル』的世界観と3D映像の相性の良さが生み出す、ホラー的アトラクション感にあります。
次々に出てくる気味の悪いクリーチャー達(とセクシーナース)もさることながら、突如として辺りを蝕んでいく、廃墟のような異形な世界が3Dとものすごく相性が良く、主人公のようにその世界に迷い込んでいく感じが体験できるという点で、これは前作の『サイレントヒル』より上回っていた部分だと思います。その他タイトルに3Dと入っているだけあって、3D効果が抜群に感じられ、もはや映画というよりアトラクションでしたが、僕は単純に観ている間中ものすごく楽しかったです。「飛び出す」効果も十分にあって、ホラー映画のおどかし演出がさらに強化されたような感じで、ひょっとしたらショックのあまり驚き死にするんじゃないか…?とかなりびくびくできた点も良かったです。
(斜め前に白髪のおじいちゃんが1人でこれを観に来ていて、心臓が止まるのではないかと勝手にハラハラしてさらに恐怖感倍増だったという話もあります)

それに加え、今回の主人公の女の子が僕的に好みだったことも大きいです。

後で調べると、オーストラリア出身のアデレイド・クレメンスという女優さんでしたが、ミシェル・ウィリアムズを可愛くしたような感じで、『華麗なるギャツビー』にも出演していた模様。冒頭、お父さんに買ってもらった誕生日プレゼントのベストを見た時の、「(あ…ださい…?)ありがとう!」みたいな反応も良かったです。

そんな感じで、気味の悪い世界観にハマれば後はライド的に楽しめるっていう感じだったかなと。
予告で流れてたガクトの歌は字幕版では流れなかったので、それもまたグッ!でした。

『風立ちぬ』


2週間ぶりに訪れた東京、またしてもバルト9で観て来ました。
せっかく東京に来たんだから、いろんな映画館で映画観たいよね!と思いつつ、他に観たい映画の上映時間と自分の予定が合わなかったり、荷物持っての移動がめんどくさかったり、なんだかんだ新宿が友人との待ち合わせに便利な場所だったりして、とりあえずバルト9行っとけ!って感じで、今回は地図も見ずに慣れた足取りで向かいましたよ!

着いたものの、待ち合わせまでの時間に観れそうな映画がこれと『ワイルド・スピード EURO MISSION』の2つしかなく、ワイスピの方も興味はあったんですが、過去作を1本も観ていないため躊躇し、せっかくだから『風立ちぬ』を東京で観てやろうじゃない!ということでチケットを購入…しようと思ったらすでに完全満席でした。平日、それも木曜の昼間に満席!?東京を甘くみてました。
と、いうことで1時間くらい2階の座れるとこで延々流れる『銀魂』と『モンスターズ・ユニバーシティ』の予告を聞かされながら待ち、次の回で観ることに。こちらもほぼ満席でした。
満席でこの映画を観れるのはかなり楽しみで、周りのお客さんと「良い映画体験しようね!」などと勝手に思いながら観たわけですが…

全然乗れず、正直言ってすごく不快で気持ち悪くてかなり嫌いな映画でした。
スクリーン全体にも冷めた空気が漂っていた気がしますが、それよりもせっかく満員だったのに、良きにつけ悪しきにつけその効果を得られたような気が全くしなかったことが残念でした。
ここまで映画を観ていて本当の意味で嫌な気分になるのは久しぶりで、自分でもなんでだろう?と思ったのですが、連日の睡眠不足で体調的に芳しくなかったことが結構大きいのかなと。まず予告(ディナーがどうしたこうした)を観てる段階で相当イライラ来てたし、本編中に寝てしまって、関東大震災のシーンをほとんど覚えてなかったりします。
ので話半分で読んでください。

ツイッターの方でフォローさせていただいてる映画ファンの方々の間でも、賛否両論であることは事前に分かっていました。賛否両論、と言っても僕の見る限り「賛」がほとんどです。

観終わって、どこが良かったのか1ミリも分からなかったので、その方々のブログ等で感想を読んだりしたのですがそれでも全く分からず。いや、どこがいいんだこれの!!と睡眠不足のイライラも合わさり、鑑賞後色々なところで感想をぶつけたりした結果、時間が経ったことも手伝ってその熱量も消え去ってしまったので、他の方のブログを引用させていただきながら、感想をまとめたいと思います。

まず、一番僕が賛同した感想がこちらです。
ジブリアニメ『風立ちぬ』は宮崎駿版「浪花恋しぐれ」だった…ッ!?』(メモリの藻屑、記憶領域のゴミ
http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130722#p1

>…まあなにかにとことん打ち込む男ってぇのは確かに素晴らしいかもしれませんが、それに結核で病弱の女子巻き込んで「ボクチンはお仕事辞めるつもりはないけど君は病気をおしてボクチンの側にいてね」っちゅうのはいったいどういう神経なんだろ、と斯様に思ったわけなんですよ。

>それが男の仕事だとか仕事が男の本分だとかって言われてもねえ、両立難しいんだったらパキッと割り切ってどっちか取れよ!女捨てて仕事取るか仕事捨てて女取るかしろよ!んな煮え切らねえザマで何が男だよ!などとオレなんかは思うわけですよ。

飛行機に全てを打ち込む男を描くのは別に良いんですよ。自分のことを愛してくれている女を捨ててでも飛行機に全てを捧げる!それを映画で描くのはいいですよ!最近観たのだと…『キラー・インサイド・ミー』?ちょっと違うかな。でもやっぱり、何かに熱を入れる人が出てくると、その分その人はどこか欠けていたり、何か失ったりしてしかるべきだと思うんですよ。でも、『風立ちぬ』の主人公は飛行機も愛も両立させちゃう。しかも愛に至っては、結核に侵された女が献身的に付き添って、死ぬ直前に醜い姿は見せまいと主人公の前から消えることで永遠のものになる…。こんなジジイの妄想に付き合ってられるか!!と怒り沸騰ですよ。「醜い姿は見せたくなかったのね…」ってやり口が特に気に食わない。女の命をも奪う覚悟でやってるんだから、隣でボロボロになっていく姿を映すべきですよ。そして、それでもこの愛は美しい、と感じさせてくれるようなものを見せるべきではないのかと。この辺り、(やり口が)汚いなーと思いましたよ。
さらに、そこに苦悩や葛藤のようなものは全く無く、味気ないんですよ。両立させることだってできるかもしれないけど、それが簡単にできちゃってて、やっぱり都合が良いようにしか見えない。

ポイントは、この主人公と同じく飛行機を愛していてものづくりの人である、宮崎駿が作った映画であるという点。過去作はいいとして、今回はノンフィクションベースであるだけに、なおさらご都合主義的な面が際立ってちゃってて、これが理想の女ってわけかい、まだこんな妄想してんのかジジイ!!と思わずにはいられませんでした。
極めつけは最後に夢の中で女が出てきて、満面の笑みで「あなたは生きてね」のシーン。こんな話を書いた男の気持ち悪さに鳥肌が立ちました。ある意味貫徹しきっててすごいですよ。
命という意味ではなくて、菜穂子という女性は完全に死んだキャラクターじゃないかと。人間のエゴのようなものを丸切り感じない。だからこそただただ都合の良いキャラクターとしか思えませんでした。

こちらは、「賛」の方のブログで、なるほど、と納得するところの多かったものです。
『飛行機と恋をつかさどる悪魔の手下(宮崎駿風立ちぬ』感想)』(ぼんやり上手
http://d.hatena.ne.jp/ayakomiyamoto/20130724#p1

>飛行機のエンジン音にはお経の唸り声のような人間の声が使われていて、ぞっとした。二郎という主人公は、人間には許されざる怪物造りに手を染めていると思った。

僕は観ている間、なんかエンジンの音がおかしいな、くらいにしか思ってなかったのですが、これを読んでそういうことだったのか、なるほど!と納得しました。こういう映画の見方をして、こういう感想を言ってみたい…!としびれる文章でありました。

そして、こちらの記事では菜穂子は都合の良いヒロインではないのではないか、という感想が書かれています。
『眼鏡と二枚目の融合/菜穂子は都合のいいヒロインなのか』
http://d.hatena.ne.jp/ayakomiyamoto/20130725#p1

>菜穂子は男にとって都合のいいヒロインという見方があるけれど、それは男性の側からたまたまそういう風に見えるだけなんじゃないかと思う。菜穂子というヒロインは恋愛に一番の価値を置いて突き進み、自分のやりたいようにやりきった女性のように感じる。

こちらも読んでなるほどーとなりました。女性の間では評判が良かったりするらしいのですが、この点でしょうかね?

ただ、僕としてはやっぱり「都合のいいヒロイン」だと思うんです。それは、この映画の主人公にとって、そして宮崎駿にとって。やっぱり宮崎駿が作った映画、っていう観方をどうしてもしてしまって、なんだろう、宮崎駿が自分を甘やかしているとしか思えないんですよ。怪物作りに手を染める、そこで戦ったり苦しんでるように見えないんですよ。

以上、歯切れが悪いですが僕の感想です。
今回、今までのような子ども向け路線ではなく、大人向けのハードな路線で行くと聞いて期待していたのですが、蓋を開けてみたらどっちにもなれていない、いや、むしろ両方が合わさったことで悪い所が浮き彫りになってしまって、「大人向け」の体裁をとっていながら要所要所は「子供だまし」をして肝心な描写から逃げている、非常に中途半端な作品だと思いました。

結構、微妙に感じられたりする映画でも、他の方の感想を読んだりすることで見直したりすることが多い方だと自分は思うのですが、『風立ちぬ』に関しては書いてあることの意味がわからないレベルで良さが伝わって来ませんでした。他の方の感想、特に「賛」の立場で書かれているものを読むにしたがって、だんだん死んでるのは自分の感性なのでは、とか、『風立ちぬ』の良さがわからない寂しさのようなものを感じたりしたのですが、今のところ、なぜこの映画が褒められているのか単純にまっっったくわかりません。この映画を好きだったり、良いと感じた方とお酒など飲みながら直接お話しできるような機会があれば、また新たな観方や感想を得られると思うのですが。

初鑑賞が芳しくない体調でイライラしていて、さらに途中完全に寝てしまったという不遜な見方をしてしまったという点も自分で引っかかっている点ではあります。幼女が階段を、両手両足をつかって、うんしょ、うんしょと昇るとことか、風に飛ばされた紙ひこうきを見上げながら追っていくと茂みにドーン!!とかジブリおなじみのそういうのもういいから!!とかも無性にイライラしてたし。

もう1度観てみたいとは思いつつ、今のところ大がつくほど嫌いな映画なので見返すのが苦痛に感じられて当分先のことになりそうです。

『ローマでアモーレ』


★★★

いろいろあってまたも更新がだいぶ遅れてしまいました。
こちらは『欲望のバージニア』を観た次の日、渋谷のBunkamura ル・シネマで鑑賞。
劇場の雰囲気はものすごく落ち着いていて、スタッフの方は皆かしこまった服を着てらして、妙に緊張してしまう、長居しづらい(長居するようなところではない)場所でございました。

さてウディ・アレン監督作品、最近の作品しかまだ観ていないのですが、それなりに好きなので(特に『ミッドナイト・イン・パリ』)楽しみにしていたこの作品、うーーーん。という感じでした。

毎回言い訳していますが、今回も鑑賞から時間が経っており記憶が抜けているので、大雑把な感想になるんですが、「安定してるけど、特別な面白さを感じない」というのが所感です。
今作は4つのカップルの恋愛偶像劇で話があっちいったりこっちいったりするため興味は持続するんですが―なんかねぇ。という。

まず良かった点を箇条書きで書きますと…
ペネロペ・クルスのエロさがヤバい
ペネロペ・クルスのエロさが尋常じゃない
ペネロペ・クルスのエロさは度を超えている

…とにかくペネロペ・クルスがエロくて良かった。『それでも恋するバルセロナ』のヒステリックな妻役でも十分エロかったんですが、今作では高級娼婦役を与えられたことによって単にめちゃめちゃエロいだけとなり、ペネロペ・クルスの魅力が遺憾なく出ていたように思います。ペネロペ・クルスが画面に出てくるだけで満足でした。が、1つ文句を言わせてもらえば、茂みでやっちゃおうかって時になんでそこ見してくんないかな…!っていう点。『マッチポイント』並に攻めて欲しいところだったんですが、映画のトーン的にはあれくらいで十分なのかも。でも、そんなことはどうでも良くて、とにかくペネロペ・クルスのおっぱいに迫って欲しかった、の一言に尽きます。

話として一番面白かったのは、アメリカ人観光客とローマの現地人が道案内を通してデキちゃうどうしようもなく羨ましい、いや、ベタな始まり方をするカップルの話。

ウディ・アレンアメリカ人側の父親として出演するやつですね。というわけで一番力を入れて作ったであろうことがわかるパート。まず、アメリカ人観光客役のアリソン・ピルですが、賛否両論ある彼女の容姿、僕は結構好みなんです。『ミッドナイト・イン・パリ』でもスコット・フィッツジェラルドの妻、ゼルダ役で出演していましたがすごく魅力のある、ほっとけないオーラが十分に出てて、まずそれで気に入りました。今作では、さらに可愛さに拍車がかかって、ペネロペ・クルスがお願いしたい女性だとしたら、こちらはお付き合いしたい女性でした(要らない感想)。だからこそ余計に羨ましいと感じたわけです。ちくしょう、イタリア人め。
(アリソン・ピルを画像検索したところ、あれ?ブs…って思っちゃうような物が結構ありました。でも、動画で観る限り可愛いので可愛い!今作の髪型も超絶似あってましたね!)

こちらのパートの肝は、イタリア人側の親父のキャラクター、「シャワーを浴びている時だけ一流のオペラ歌手並に歌えるようになる」っていう設定の面白さだと思います。迫力ある声量と、身体を洗っている姿のギャップが僕好みの笑いでツボでした。最終的にオペラの主演を務めることになり、ステージで、ガラス張りの個室の中でシャワーを浴び、ちゃんと髪や身体を洗いながら歌うところはさらにギャップが効いてて面白かったです。

最後に気に入らなかったところなんですが…。
こいつです。

エレン・ペイジ。『ゴッド・ブレス・アメリカ』の感想の時にも書いたことなんですが、結構ファンがいるらしいこのエレン・ペイジ、僕は苦手なんです。眉の動かし方がいつも気になってイラッとくる。「子どもがオトナぶって振舞っている」感が本人の丈と合っていないように感じられて苦手です。
その見方からすると、ある意味今作での役はハマリ役でした。大して知りもしないことを知ったかぶってインテリを匂わせ、自分の経験してきたエロ話をあけっぴろげに話したりして惑わせてくる女。これにジェシー・アイゼンバーグが引っかかっていくんですが、観ている間中、こんな女にひっかかんなよ〜!!ってイライラハラハラしてました。自分がジェシー・アイゼンバーグだったらモロに引っかかっただろうな、と思うから余計に。最後は、「ほら!言ったろ?クソ女だって!」って感じで溜飲が下がりました。

でもどこか気になる存在であることは間違いないエレン・ペイジ、よく考えてみればこんな憎まれ役を引き受ける辺り偉いと思うし、彼女の仕草と年齢が一致した頃には大ファンになってるかもしれない…。次作?の産業スパイの映画だってエレン・ペイジが出ていると聞いて観に行きたくなった気持ちはあるし。これってまさか…恋?

という感じで、『ローマでアモーレ』、十分暇つぶしになる(褒めてます!)映画でした!

『欲望のバージニア』


★★★★

久々に訪れた東京、夢のバルト9で観て来ましたよ…!
もう何が驚いたって平日昼過ぎなのに人がめちゃめちゃ多かった!場所が場所だからか年齢層も若いし。さすが東京!うひょー!という感じで、わくわくして『欲望のバージニア』のスクリーンに入ると雰囲気が一転。落ち着いた老紳士たちがぱらぱらと座っていてロビーにいたギャルなたちはどこへやら…。思わず「しまった、モンスターズ・ユニバーシティか、なんなら全然興味ないけど銀魂行くべきだったか…」と邪な考えが脳裏をよぎりましたがなんだかんだ場内が暗転するまでにはそこそこ席も埋まり、非常に良い感じで観れました。

バルト9で観たせいなのかもしれませんが、環境的に快適だったことに加えて、スクリーンがデカい&音がバカデカいことがすごく良くて、『欲望のバージニア』の印象が自分の中で格別なものになってます。この映画、ポジション的には2番手的存在であるトム・ハーディが全部持っていった感じで、彼が出てくるシーンはどれも最高で見応えがあったように思います。メリケンサックつけて容赦なく殴るトム・ハーディ、気になる女が出来たけどちょっと部屋を覗くだけで帰っちゃうトム・ハーディ、大事な資金を奪われたシャイア・ラブーフに「金の問題じゃない。主義の問題だ。」と叱責するトム・ハーディ、ナイフで首根っこを深く切られても生き延びたトム・ハーディ、何発銃を撃ち込まれても死なないトム・ハーディ、酔っ払って凍った池のほとりで1人踊ってみたら足元が滑って池に転落、「あーさぶさぶさぶ…」と凍えながら家に戻っていくトム・ハーディ…。時系列めちゃくちゃですが、とにかくトム・ハーディがすげーー良かった!!ということが言いたいのです。

これ、話はオーソドックスというか、そこまで新鮮味があるようなものではないと思うのですが、要はキャラクターと1920年アメリカの雰囲気にどれだけハマれるかというところで好みが別れるものだと思います。
トム・ハーディ以外のキャラで言えば、女性陣良かったですね。あの『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェシカ・チャスティンがエロく、なんとおっぱいも見れたし、田舎娘のミア・ワシコウスカの可愛さに至ってはもうたまらんものがありました。『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』でライアン・ゴズリングの息子役をしていたデイン・デハーン君がシャイア・ラブーフの友人で、足の悪い役を演じていましたが彼も良いオーラをまとってますね。ヘタレキャラなんだけど嫌いどころかむしろすごく好感を抱ける感じ。一方シャイア・ラブーフはホントに腹立つんですが…まあそういう役なんですけども。

悪役のガイ・ピアース潔癖症で相手を殴るときにちゃんと白い手袋をしてボコボコに殴り、ハンカチを取り出して手袋についた血を拭き取る、とか、ぴっちりした髪型を好んで乱れるとすぐさまクシで直す、とか観てるこちらに嫌悪感を抱かせるには十分なイヤ〜な感じあったんですが、もう1つ何か欲しかった!確かにこいつキモいしどうしようもない悪役でこいつぶっ殺すっきゃねぇ!!と思わせてくれるには十分なんですが、もう1つ、この映画ならではこの悪役の存在感を際立たせる何かが欲しかったですね。

あとは途中出てきたゲイリー・オールドマンがそれきりだったのが少し残念などありますが、総じてキャラクターはどれも良かったですよ!!

それと、音がデカい環境の鑑賞で本当に良かったと思うのが、この映画の音楽ですね。この映画の脚本もしているニック・ケイヴがスコアも担当しているということを予告編で知ったときに、まず音楽は間違いなく良いだろうなと。ニック・ケイヴ本人というよりも、よく一緒に組んでるウォーレン・エリスが僕の大好きなオーストラリアのバンド、Dirty Threeのバイオリニストでして。きっと『欲望のバージニア』でも一緒にやってくれるんじゃないかしら!と願っていたら、まんまと彼っぽいバイオリンが聞こえてきて、やたーーっっ!!と喜んでいたわけです。
まあ、そんなことは置いといても、単純に映画のスコアとして、この映画の雰囲気、1920年アメリカの埃っぽい雰囲気を醸成していくのにかなり効果的であるし、音楽として聞いても心地よいものになっていて、大変良かったです。

これ聞いてたらもっかい映画館で観たくなってきたなぁ…やっぱり真っ暗でデカい画面そしてデカい音で映画観るのって最高ですね!
欲望のバージニア』、まとめるとトム・ハーディと音楽が最高!!ということで下半期はいい出だしが送れてます!

最後にせっかくなのでDirty Threeの音源を2つばかし。

13分と長尺な上、アブストラクトな演奏でとっつきにくいかもしれません。けどできれば通して聞いて頂きたい、周りの空気がDirty Three色に染まるはずです、それが心地良ければあなたもきっと好きになる!


こちらは4分くらいで、曲自体も彼らにしてはカチッとしてて聴きやすい。メロディが素晴らしいです。

『モンスターズ・ユニバーシティ』


★★★★

吹き替え版3Dで観て来ました!結構前に!
ということでまたしてもやってしまいました…もう内容ほとんど覚えてないぞ…。が、一応の自分ルール「映画館で観た映画の感想は書く」をなんとか貫徹するべく書きますよ!内容が無いなら書かないほうがましじゃね?とか疑念が頭をよぎったけどとりあえず1年くらい続けてみますよ!

まず、毎度のおまけ的短編は『ブルー・アンブレラ』という青い傘くんが道端で出会った赤い傘ちゃんに一目惚れして〜みたいな話でした。この筋書き自体、すでに『シュガー・ラッシュ』の時のおまけ『紙ひこうき』で4ヶ月ほど前に観たんだけど、それはいいとしても、演出自体にも既視感がある、今更こんなギミックでやるの?みたいな感じで新鮮さが全くありませんでした。あと一番ダメなとこは、青い傘くんと赤い傘ちゃんのキャラクターが可愛くないとこだと思います。以上。

と、投げやりな感じで終わりましたが、一方で本編『モンスターズ・ユニバーシティ』は「Pixar is BACK!!」と思わせてくれた、久しぶりに良いピクサー映画を観た!という感じで結構満足しました。
もう最初出てくる、小学生時代のマイクが殺人的な可愛さでここでグッ!!
あっという間に大人になり、声が爆笑問題田中になってがっくりきたものの、「モンスターズ・ユニバーシティ」のモンスター博覧会っぷりにわくわく!!
という感じでつかみからばっちり!!その後も最後まで楽しく観ました…

こんな残念な感じで終わってはあれなので、良かったところを1つ書きますと、なんといっても最後のマイク&サリーが人間に仕掛ける「怖がらせ演出」ですね。「怖がらせ演出」を仕掛ける側からの視点で見せるっていうのは、今年観た『キャビン』を想起させられるんですが、ここではマイクとサリーのバディ感が非常に熱い。ようやく最近になって自覚してきましたが僕はバディものに滅法弱いようで、ここのシーンはたまらないものがありました。それで、素晴らしいのがちゃんと怖い…!と観てるこちらに感じさせてくれたこと!ミシッ…と音が聞こえてきたり、突然ゼンマイ式の人形が歩き出したり、じわじわ不安を高めていく、その合間に仕掛ける側のマイクを写すことで子どもをあまり怖がらせ過ぎないようにほっとさせたりするとこも怖さと安堵のバランスが上手いなーと思ったんですが、最後サリーが出てきて一発咆哮をかますところ、いい音のデカさで迫力十分!!教室のなかで吠えるシーンでも結構迫力あるなーなんて思ってたりしたんですが、来るとわかっていて来た、なおかつそれがただモンスター(しかも可愛げ)が吠えるだけ、っていうだけなのにブルッと来ちゃって。レイトショーで子どもの客はいなかったんですが、あれは下手したら泣いてしまうのでは?と思わざるを得ない、ちゃんと怖く出来てて良かったです!!

そして、残念なところとしては、嫌味っぽい校長のキャラクターですかね。やたら厳しい割にそれがただ単に生徒をびびらせてるだけにしかなっていなさそうだし、結局最後まで好きになれないキャラクターにしか見えなかったのがいまいちでした。でもまあ、校長側の事情もちゃんと描いてとかやるのめんどくせーしいいか!って感じですかね(適当)。

あ、それとウーズマ・カッパの一員で元々セールスマンだったおっさんぽいヤツと、同じメンバーでもあるスクイシーのお母さんが結ばれるっていうラストはどうなの…?単純に気持ち悪いとしか思えなかったのですが、海の向こうではこれはありなんでしょうか。

それで思い出しましたがスクイシーがパーティで、テクノに合わせてノリノリでダンスするシーンが腹立つ感じで笑っちゃいました。

以上、まとまりのない駄文でした…。
実は鑑賞後1週間以上経った映画があと2本あるという…またしても愚行を続けることになりますが後で書きます。

2013年上半期に観た映画 ベスト10+α

今年になって爆発的に映画館に行く回数が増えた(当社比)ということで、初めて「○○年上半期ベスト」がリアルタイムに作れるということが自分の中でちょっと嬉しいです。

「面白そうな映画を映画館で観たい」っていう、今思えば当たり前のことに気づいたのが去年の年末で、福岡に爆音映画祭がやってきて、そこで『デス・プルーフ』を初めて劇場鑑賞&爆音鑑賞してブチ上がったことが1つのきっかけだったかなと。
もう1つは、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作を観なければ、と義務感のようなものに駆られながらも、SEE版の長さにはねのけられ(観るからにはSEE版、そして3部作続けてと決めていた)、手が出せていなかった折に『ホビット』の1作目が公開され、いよいよ重い腰が持ち上がって、SEE版を一気観して、『ホビット』を観に行ったときの感動が大きかったことがあるのかなと思ってます。

映画館で映画を観ることの魅力っていうのはもちろん大きなスクリーン、大きな音、ということもありますが、やっぱり一番は知らない人たちと一緒に映画を観るっていう体験の面白さだと思うんです。映画そのものの面白さも当然ながら、「良い映画だったな〜」って思えるのは周りのお客さんにかかっている部分も大きい。こればっかりは運に任せるしかないし、僕は平日昼に観に行くことが多いので、あまりお客さん自体が入っていなかったりすることが多かったのですが、映画館でみんなで笑ったり、泣いたり、怖がったりする体験っていうのは何にも代えがたい、映画館じゃないとできない映画体験であって、その快感にハマってしまったのだということだと思います。

ベスト〜といっておきながら、そういうわけで劇場鑑賞は不安定な部分があるし、そもそも映画鑑賞って自分の気分で相当左右されるもんなので、後で思いっきり変わる可能性があるんだけども、とりあえず作りたいよね!っていうことで作ります。

さ、ダラダラした前置きは置いておいて、2013年上半期に観た映画、劇場鑑賞は23本、その中でのベスト!!それいけーー

〔2013年上半期ベスト10 劇場鑑賞編〕

第1位『きっと、うまくいく』

若干悔しい気持ちがありながらも、やっぱりど直球で心に響いた映画、ということで素直に『きっと、うまくいく』。うだつのあがらない大学生としてもグッとくる要素満載でした。特にお気に入りなのは、生まれた瞬間歩むべきレールを敷かれてしまったちょっとおデブの大学生が、写真が大好きで無意識に封じ込めてた写真家になりたいという思いに気づかされ、その道に行くために父親を説得するシーン。頑固な父親に理解を得るまで、しっかり時間をかけて描いていたことが非常に良かったです。

第2位『天使の分け前

天使の分け前』は「ダメ人間の人生リベンジもの」という大好物なテーマと、画面全体の落ち着いた雰囲気、4人の人物の絡みの楽しさ、そしてゆるさをもって社会問題に立ち向かう姿勢にグッときました。周りの雰囲気も素晴らしく、あるシーンで劇場全体があっと息を呑む瞬間があったりと、非常に良い映画体験ができました。

第3位『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ

序盤のバイクチェイス以降もしっかり面白く、どんどんジャンルが変わっていって新しい映画を観ているかのような感覚になったこと、そして最後のエンディングの映像の美しさにエンドロールでトドメのBon Iver。散々浸りました。もう1つ僕の大好物である「親父モノ」でもありましたね。

第4位『キャビン』


なんといってもチーン…ドガーグシャーバギドガグゴーのシーンのカタルシス!!やったぁぁ!!初の劇場でのホラー映画鑑賞でもありました。

第5位『アイアンマン3』

アイアンマン全員集合のシーンを予告編で見せられてしまっていても、スクリーンで観た時に鳥肌が立つほどカッコ良かった!!おおおお!!!と盛り上がれる映画、やっぱりアイアンマンは裏切らなかった!!危惧されていたシリアスムードじゃなかったことも◎。

第6位『ジャンゴ 繋がれざる者


やっと映画館で観れたぜタランティーノ!!『イングロリアス・バスターズ』が超好きなので、あれを映画館で観なかったことが悔しすぎて貧乏なのに2回行ってしまいました。言いたいこといっぱいあるんだけども、タランティーノ作品をスクリーンで観れた嬉しさが大きいですね。

第7位『ホビット 思いがけない冒険


『LOR』、確かに面白かったけどイライジャ・ウッドにどうもハマれなかった僕がこの映画を大好きだ!と思えるのは「冴えないおっさんが頑張るムービー」だったからです。あとは、『LOR』を観ていると、あ!あれだ!とか思える点がちょこちょこあって、むふふとなれる所。そしてゴブリンの巣窟からの脱出の一連のシークエンスが気持良すぎて最高!!でした。

第8位『セレステジェシー

観た後もさることながら、帰っていろんな方の感想を見てまた気づかされたりする、一番「持って帰った」映画でした。最後のキスは納得いかないんだけどな〜

第9位『パラノーマン ブライス・ホローの謎


ノーマンの登校シーンでグーッと心を掴まれて思わず涙がポロリ…。決着の付け方も素晴らしかったですね。ストップモーションアニメを3Dで観ることで、目の前で人形劇を観ているかのような新鮮さもありました。

第10位『ホーリー・モーターズ


何やら面白い映像が続くけど意味わからん…むにゃむにゃ…となっていたところに「インターミッション」と出て始まったアコーディオンを弾く男たちのシーン!!なんかわからんが超カッコいい!!と震えました。2013年上半期、瞬間沸騰度が最も高かった瞬間だったと思います。

やったぁぁ!!
と、いうことで2013年、映画館で観た映画ベスト10です。
全体的な反省点として、もっと客が入る時間に映画館に行こう、というところですね。
つい平日昼間にぷらっと行っちゃうんだけど、席が埋まってる土日昼とかにも行ってより濃い映画体験をしていきたいですね!

さて実際、映画館で観た本数が増えたとはいえ、見逃してしまった映画も多々ありました。
6月公開の映画でまた観ていない映画(『華麗なるギャツビー』など)もあるので、それらを観てから作ろうかなーと思ったんですが、あんまり遅くなってもあれなので。というか本当は6月中に書きたかった。
というわけでお次はこれ。

〔2013年上半期ベスト 観逃してしまった編〕

  1. 『ザ・マスター』
  2. 世界にひとつのプレイブック
  3. 『テッド』

『ザ・マスター』は、ちょうどその頃やっていた『パラノーマン』を応援したい気持ちもあって、金銭的な事情から行けなかったのですが、最近フィリップ・シーモア・ホフマン&ポール・トーマス・アンダーソンにハマっているので余計に見逃したことを激しく後悔しておるところでございます…。
世界にひとつのプレイブック』は自分好みの話っぽいなーと思いつつ、後で後でと後回しにしているうちに気づいたら終わっていました。
他にも行けなかったけど行きたかった映画は結構ありました。ひとえにお金の問題です。うう…

一方、家で観たDVDはたぶん200本以上。
えっそのお金があれば映画館いけたんじゃ…と自分でも思います。
安物買いの銭失い…では断じてない!!家で観る映画も映画は映画!!良いものは良い!!泣いてなどいない!!
ということで家で観た編です。

〔2013年上半期ベスト10 家で観た編〕

  1. パイレーツ・ロック
  2. 宇宙戦争
  3. ドリームキャッチャー
  4. 銀河ヒッチハイク・ガイド
  5. スネーク・フライト
  6. 『人生、ここにあり!』
  7. 『哀しき獣』
  8. ゴーストワールド
  9. 『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』
  10. リンダ リンダ リンダ

こんなところでしょうか!えっ『宇宙戦争』すら観てなかったのあんた?と思われそうですが、映画にがっつりハマったのはここ1年のことなので、まだまだ観ていない名作がたくさんあります。ベストの中でも特に1位の『パイレーツ・ロック』は超最高でした。あの船に乗って、好きな音楽かけて、甲板でサッカーやって海にボール落として、たまに陸に降りてパブに飲みいって、帰ってきて勇気試しして、タバコとかいろいろ吸って、「ロックンロール!!」と叫びたい!!あの世界に俺も行きたい!っていう映画です。
ベストに収まってない映画でも、映画館で観たかった!!これが公開された時俺はすでに生まれていた!!なぜ行かなかったのか!!とタイムマシンがあったら引っぱたいてでも昔の自分を映画館に連れて行きたくなるものがたくさんありました。
こういう後悔はあんまりしたくない、だから下半期も映画館に行くぞ!!ということで最後にこれです。

〔2013年下半期ベスト 観に行きたい映画〕

  1. パシフィック・リム
  2. エリジウム
  3. 『マン・オブ・スティール』
  4. 『キャリー』
  5. 『ウィー・アンド・アイ』

何か忘れている気がするけど、何をおいても『パシフィック・リム』ですね!!
下半期に観たい映画についてもいろいろ書きたいんですが、長くなってしまったのでこのへんで!