『パシフィック・リム』


★★★★☆

すっかりブログの更新頻度が落ちているのとは反対に、8〜9月は観たい映画ラッシュで、ここに感想を書き記していないものがガンガン溜まってきております…!!
「映画館に観に行った映画に関しては必ずブログに感想を書く」という自分ルールを、せめて1年は続けたいので何とか振り返って反り返って書きたいと思います!

いや、書こうとはしてたんですよ。何度も書いては消し、書いては消しするうちに面倒臭くなって逃げていたんです。それもこの『パシフィック・リム』のせい。
今年に入ってからこの映画をずーっと楽しみにしてきて、『サイレントヒル:リベレーション3D』で初めて映画館で予告を観たときには叫びたくなるほど興奮し、公開1週間前にはビジュアルガイドを買って観るまで封印し、公開初日にIMAX字幕版初回を観て、それから数日後2D字幕→IMAX吹き替え版とハシゴして、また2D字幕を観て、最後にIMAX字幕版…と生まれて初めて1つの映画を5回観に行くほど「来た」映画でした。
ネット上(2chツイッター上?)では大ハマリした勢とそうでもなかった勢にハッキリ別れているような気がするのですが、僕の位置的には両者の中間くらいでしょうか。
もちろん『パシフィック・リム』5回も観に行ったし、そのうち3回はIMAXなので映画代だけで1万近く使った僕ですから当然大好きですが、大ハマリしている人ほど好きではないような気がしますし、そうでもなかった勢の言ってることも結構分かるのです。

好きな箇所を書いていくだけで相当な量になるので、簡単に、『パシフィック・リム』の素晴らしいところ!
ロボットと怪獣のガチンコ勝負を思いっきり観せてくれたところ。ロボットの攻撃は基本的には殴る。さらにサブウェポンや必殺技まであり、現在の映像技術でこんなものを大迫力で観せてくれるのですから、これで悦ばない漢はいないだろう!!と扇情的な物言いをしたくなるほど興奮しました。特に本編中最大の見せ場、香港防衛戦。前線にチェルノ・アルファとクリムゾン・タイフーンが立ち、後方にストライカー・エウレカが控えて2匹の怪獣を迎え撃つシーン。チェルノ・アルファとクリムゾン・タイフーンが倒され、ストライカー・エウレカも機能停止し、大ピンチ…!というところで現れる、ジプシー・デンジャー!!!数機のヘリコプターに運ばれて後光を受けながらジプシー・デンジャーが助けにくるシーンに、僕は初めてかっこよすぎて感動して涙が出るという体験をしました。この後の一連も本当に素晴らしい。巨大タンカーを引きずって現れるジプシー・デンジャー、足を踏ん張って巨大タンカーで怪獣をぶん殴る!!エクスタシー!!!よくぞこんなものを観せてくれた!!!とギレルモ・デル・トロを抱きしめたいほどですよ!!さらにその後、もう打つ手がない…まだある!!「チェーンソード起動」ジャキーーン!!の格好良さ!!フォーーッッ!!!!大気圏外から落下、「衝撃に備えろ!!」とかもう…熱い!!熱すぎる!!!ヤバイ!!!これはヤバイ!!!

…とごめんなさい、このぐらいにします。
ただあと1つ!!『パシフィック・リム』、「イェーガーは2人のパイロットがドリフトして操縦する」っていう設定が本当に最高だなと思っていまして。イェーガーは1体でも、そこに2人のパイロットがいて、協力して怪獣を倒すんだ!っていう感じがたまらなく燃えるし、胸に迫るものがあるんです。僕が劇中で最も好きな台詞、レザーバックにジプシー・デンジャーが投げ飛ばされ、そこにレザーバックがさらに襲いかかろうと全力疾走してくる、ジプシー・デンジャーが立ち上がり、ローリーが森マコに向かって言う台詞、Come on! Let's do this TOGETHER!!」にそれが最も現れているような気がします。「一緒にあいつを倒すんだ!」の字幕も素晴らしかったです。2人には恋愛感情らしきものも見えていましたが、ラストは額を合わせて笑い合うという、キスシーンを描かなかった辺りも拍手。

それと、フォローではないですが、よく見かける批判として、戦闘シーンがほとんど夜だったり、水中だったりして見辛い、というもの。当然あえてやっているんだと思います。なぜなら…真っ昼間に戦うイェーガーの姿は恐らく間抜けに見えちゃうから。唯一ストライカー・エウレカが真っ昼間に怪獣と戦うシーンがありますが、ビルの屋上にいる人が撮っているような独特のアングルで、あれでギリ格好良く見えるのかと。なぜそう思うのかというと、香港防衛戦で地上に上がって比較的明るい場所での戦闘になってからのジプシー・デンジャーの動きが、ところどころ間抜けに見えるようなところがあったからです。人型のデカイものが滑らかに動く、というのを格好良く見せるのが難しいのだろうと勝手に思っていますが、どうなんでしょう。他に、雨だったら海上での戦闘は言うまでもなく水しぶきの粒子との対比でイェーガーのデカさの強調ですよね。恐らく、イェーガーは水しぶきをあげて、水に濡れて、ヘリや自身のライトで部分部分が照らされている状態が一番格好良く見えるのではないかなーと思います。

そして、惜しいところ。
パシフィック・リム』そうでもない派はストーリー部分に一番ツッコミを入れているようですが、僕もそう思います。パーツは揃っているのに組み合わせ方が雑で、持っていけるはずのカタルシスまで到達できない、という感じをいろんなところで強く受けました。例えば森マコがイェーガーのパイロットを志望しているのにペンテコスト長官がそれを許可しない、っていうのはすごく良いフリなのに、あっさり許可出しちゃう辺りとか。マコがウサギを追った!やっぱりイェーガーのパイロットには不的確だ、の流れからジプシー・デンジャーに再度搭乗する辺りとかもすごく燃える展開を期待していると、意外とあっさり行っちゃう、こういう物足りなさは要所要所感じました。キャラクターに関してもペンテコスト長官の頑固指揮官キャラっぷりとか、科学者のニュート、ハーマンのテンプレキャラとかも数回観るとちょっと辟易しちゃったり…。もうちょっとキャラクターを掘り下げる描写が欲しかったとか、それなら他のイェーガーのパイロットとの絡みのシーンをもっと出して欲しかったとか思わざるを得ません。
あとは、ラストバトルが香港防衛戦を上回っていないところとか…。カテゴリー5のラスボス感もいまいち無かったし、やっぱり最後、ジプシー・デンジャーは帰還してほしかった。どうやら扉は塞げたようだ、だけどジプシー・デンジャーは帰ってこない…と思わせといてからのジプシー・デンジャーが海中から登場!歩いて陸地に向かう姿を観たかったなーと。
とまあいろいろああしてほしかった、こうしてほしかったというのがあるんですが、でもこうするとあれが成立しないか…などとなってややこしいので、この辺りにします。

そして、文句!
吹き替え版の声優。こんなことを書くと、声ヲタからぶっ叩かれそうで怖いんですが、杉田智和はミスキャストだったのでは…。『ハルヒ』などは観ている身からすると、ナレーション部分はあ〜、杉田ってかキョンだよな〜とどうしても思ってしまうし、それに「ロケットパーンチ」の言い方がしょぼかった。「エルボーロケット」を言い換えたのは良いのですが、言い方が残念すぎました。そのほかに、予告だったらペンテコスト長官は大塚明夫だったのに、本編では玄田哲章になっていた、とか。大塚明夫の声が大好きかつ、最後に全員を鼓舞するシーンとかやっぱり大塚明夫のほうが良かったのでは?と思ってしまいます。
あと細かい点ですが、ローリーがマコに言う台詞の語尾がやたらと「〜しろ!」「〜やれ!」みたいな命令口調が多かった気がします。「〜やるぞ!」と言って欲しかった。先の「協力してる感」が減じられてる感じがしてこれも吹き替え版はマイナスでした。
吹き替え版、ひょっとすると字幕版より燃える感じになっているのでは!?と期待していましたが、むしろ不満の方が多くてどうしても吹き替え版は2回目に行く気になりませんでした。
それと、物販!!もっと頑張れ!!『パシフィック・リム』を観に行く人、特に何回も観に行く我々のような人たちは『パシフィック・リム』にお金を使いたいと思ってるんですよ!!もっとグッズ考えてくれ!!フィギュアはいいとして、ストラップだったりクリアファイルだったり、もうちょっと良い物はできなかったのか!?特にクリアファイルセットはがっかりした!!5体のイェーガーそれぞれが入ってて最高かと思いきや、またそのガンプラ的なデザインのやつかよ!!何でも良い、とにかく別のショットが良かったよ!!結局僕はパンフしか買ってません。どれも入場者プレゼントでもらえた、ポストカードとポスター(これは素晴らしかった)を超えるものはなかったです。なんだかんだ、物は売れたようですが、ほしいものが無いなかで買わざるを得なかった人たちも結構いるのでは、と邪推したくなるほど、物販にセンスを感じませんでした。

最後に、要望。
チェルノ・アルファとかクリムゾン・タイフーンの戦闘、そして怪獣に勝つところも観たかった!
もっとイェーガーの活躍シーンが観たい!
パイロットたちをもっと観たい!
怪獣が街壊すシーンももっと観たかった!
尺、5時間でも良くない??

以上!
書いててまた観たくなってきたので6度目行きます!