『マルホランド・ドライブ』

原題:Mulholland Dr.(2001/アメリカ・フランス)
監督:デヴィッド・リンチ
脚本:デヴィッド・リンチ
製作:アラン・サルド、etc
出演:ナオミ・ワッツローラ・ハリング、アン・ミラー、ジャスティン・セロー、ダン・ヘダヤ、ロバート・フォスターレベッカ・デル・リオ、リー・グラント、メリッサ・ジョージ

★★★★★

友達が満点評価していたり、信頼できるブログのオールタイム・ベストに挙げられていたりして、ものすごい期待と不安を持っていましたが、超面白かったです。いや、超面白いですと言うべきか。

デヴィッド・リンチの作品は、観ているこちらを訳わからなくさせてきて鑑賞後に脳が疲れきってしまうというイメージが先行していて、観たいな〜とは思いつつも、どっしり構えて観ないといけないのでついつい後回しにしちゃっているんです。

中でも『マルホランド・ドライブ』は、そのイメージ通りの作品だろうと思っていて、今まで何度もレンタルしてきては調子が整わずに観ずに返してしまう…ということが続いていました。

で、今回、絶対観てやる!と決心して何度目かのレンタルを決め込みました。

返却日になって、ようやく見始めたものの、40分くらい経ったところでもう頭の中がぐちゃぐちゃになって、疲弊してしまいました。
が、それでも映画は求心力を持ったままなので、観続けていると…
だんだんどうでも良くなってくる。笑
デヴィッド・リンチらしい(と思っている)不協和音が不安にさせてくるけど変に心地良いな〜とか
ローラ・ハリングのおっぱい!( ´∀`)bグッ!
とか思いながら観ているといつの間にか後半になり…

あっ

これは今までと明らかに違う世界の話になっている

と気づいたあたりから、こんからがっていたひもがスルスルスル〜と解けるように、頭の中がすっきりしてきて、観るのが快感になっていました。

ある前提を置くと、辻褄が合う、謎が解ける!と思ったんですね。
この辺りから薄々デヴィッド・リンチの映画の楽しみ方がわかってきたような気がして、嬉しくなっていました。

けどすぐ分かんなくなる。笑

で、映画の最後まで観て、自分なりにストーリーを組み立てたのですが…結局の所分からない。笑
組み立てたものが筋が通るようで、通っていない部分があるとはっきりわかったり、はっきりとはわからなかったりする。
でも、全く訳が分からない実験映画ではないことは感覚として分かっているんです。
この感覚をなんと言い表せばいいのか…
掴んではスルスル〜と逃げる蛇のような感じですかね。(下手すぎる例え)

もしやこれがリンチ・ワールドか…!と
新しい世界に入れた気がしました。そして、自分が楽しめたことが嬉しかった。
きっと訳が分かんないまんまで終わるんだろうな、っていう気がしていたので。(いや訳はわからないんですが)
でもきっと、『マルホランド・ドライブ』はリンチワールド的リンチ映画の中でもわかりやすい部類なんだろうと思います。
終盤は明らかにそれまでと雰囲気が違いますから。
実は『インランド・エンパイア』を先に借りていて、案の定観ずに返しちゃったんですが正解だったなと…!
あっちはより難解度が増していそうなので。

そして鑑賞後、予備知識無しで観た『マルホランド・ドライブ』の解説やら人の感想やら見ようと思って検索かけて、まずはウィキペディアを見てみたんです。
するとなんと、「デヴィッド・リンチの10個のヒント」なるものが…!
鑑賞中ちょっとは意識できていたことがあったり、そんなとこ注意して観てないよ!っていうものがあったり。
これはどうやら劇場公開時にオフィシャルサイトで見れるものだったようで、当時リアルタイムで体験した人が羨ましくなりました。

せっかくリンチからヒントもらったんだから、解説見てそれである程度満足しちゃってもなーと思いつつ、やっぱり気になるのでさーっと流し読みした感じ、僕が観ながら組み立てていたことと同じことがあったり、考えてもいなかったことがあったりして、やっぱりこれはもう1回観たい!と思いました。

最初に書いた、超面白かった、という感想は間違いだと思ったのは、『マルホランド・ドライブ』体験はまだ終わっていないからだと。
まだ謎を解くために部品を組み立てている途中で、きっと永遠に組み終わらないんでしょう。

マルホランド・ドライブ』、期待に負けず初の映画体験をさせてくれた映画、ということで自分のオールタイム・ベストに入る勢いで気に入りました。

マルホランド・ドライブ』の次は『インランド・エンパイア』だ!
次も楽しめるかな?ちょっと不安です。



劇中、オーディションシーンでかかる曲。
テレビ番組『マツコの知らない世界』でかかっていますね。
頭がでかく見えて怖い…。


ストレイト・ストーリー リストア版  [Blu-ray]

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最初に観たリンチ映画が最もリンチらしくないものだったという。
おじいちゃんがトラクターに乗ってでかける、ロードムービー。大好きです。

これもまだ理解できていない部分がたくさんあると思う。
ストーリー自体はわかりやすいです、デニス・ホッパーが超怖くて(・∀・)イイ!!

どうもニコラス・ケイジが苦手で、あまり好きではありませんでした。
デブ女3人組が全裸で走り回るシーンはさすがだなぁと思いました。