『マーダー・ライド・ショー』『デビルズ・リジェクト』

原題:House of 1000 Corpses(2003/アメリカ)
監督:ロブ・ゾンビ
脚本:ロブ・ゾンビ
出演:シド・ヘイグ、ビル・モーズリイ、シェリ・ムーン・ゾンビ、カレン・ブラック、マシュー・マッグローリー、アーウィン・キーズ

★★

マーダー・ライド・ショー2 デビルズ・リジェクト』を宇多丸師匠がゼロ年代に入れていたり、「アバンタイトル、からの〜…オープニングが超アガる!」映画10本の最初に選んでいたりして、怖いけど興味あるな〜、見てみたいな〜と思っていたんですが、軽く調べてみると1である『マーダー・ライド・ショー』から観たほうがいいだろうということで。
それでこちらから観たんですが…

怖かったです((((;゚Д゚))))
『キャビン』の時に書いたみたいに、最近になってホラー映画を観るようになったとはいえ、実は友達と家で観たり、映画館で観たりして一人じゃなかったんですよ。
つまり今回が初の単独ホラー映画鑑賞だったんですが、やっぱり一人だと怖さ倍増!
今まで観てきたものより怖くない、っていうことは頭ではわかるんですが感覚的にかなり怖かったです。
まだホラーの免疫ついてないんだなーと思いましたよ。

内容的には「猟奇的殺人狂一家が若者たちを家に引きずり込んで拷問、惨殺していく」話で、数少ない僕のホラー遍歴だと、『ホステル』が近いのかなーと思ったんですが、
『ホステル』の拷問自体の描写はこれと比較にならないくらいグロい一方、終盤に主人公が自分や友達を拷問した奴らに逆襲するので、意外と見終わった後引きずらずに済むんです。
しかし、こっちは一方的にひたすらなぶられていくので、後味悪いです。
最後、見た目怖いけど実は良い奴かも、って思ってたキャプテン・スポールディングがやっぱり一家の仲間で、なんとか免れた女の子が結局連れ戻されて拷問、っていう終わり方をするので余計後味が悪いです。

一家の家の中ももう悪趣味満載で神経すり減らされたりね…

ホラー通の方にとってはコメディになるようなところもあったと思うんですが、僕はひたすら怖かったし引いてました。

それでも、少しは楽しめたかなと思えるのは、殺人狂一家のキャラが立っているというところですね。
シェリ・ムーン・ゾンビ(ロブ・ゾンビの奥さんだって!)演じるベイビーの、ビッチっぷり、狂いっぷりは最高でした。
あとはなんといってもパッケージにもなってるキャプテン・スポールディング!
殺される若者の一人にインタビューを受けている途中、今までギャグを交えながら話していたのに突然、「てめぇ、俺を田舎者扱いしてんのか!?」、「ポテトばっかり食ってると思ってんだろ?」、とブチ切れたフリをしておいて「冗談だよ!ピエロだからね〜」の件は心底怖かったです。

どこに怒りのトリガーがあるかわからない人、っているじゃないですか。
しかも冗談だよ〜とか言われてもね。こいつ全然怖すぎるよ、信頼しちゃだめだろって。

「浅薄な若者たちが殺人狂に嬲り殺される」という定石を踏まえているとはいえ、浅薄さがその程度なので気が乗らない感じでした。


そして、続けざまに『マーダー・ライド・ショー2 デビルズ・リジェクト』を観てみました。

原題:The Devil's Rejects(2005/アメリカ)
監督:ロブ・ゾンビ
脚本:ロブ・ゾンビ
出演:シド・ヘイグ、ビル・モーズリイ、シェリ・ムーン・ゾンビ、ウィリアム・フォーサイスケン・フォリー、マシュー・マッグローリ
ー、レスリー・イースターブルック、ジェフリー・ルイス、プリシラ・バーンズ、ダニー・トレホ

★★★★

冒頭、いきなり殺人狂一家の住む家が大勢の警察に囲まれているところから始まり、当然降伏なんてするわけがない一家は銃を持ちだして銃撃戦を始める。
母は捕まり、弟は行方不明になるが、オーティス(兄)とベイビー(妹)はなんとか逃げおおせ、キャプテン・スポールディング(父)と合流して追ってくる警察から逃亡を続ける。
で、道中、モーテルで旅回りしているバンドのメンバーを陵辱するシーンなんかは、前回より「いや〜な感じ」が増していてやっぱりこいつら極悪だわ…と心底ゲンナリしました。
隙を突いて反撃するも失敗、逆に殺されるシーンも2度続き、心もポッキリ折られたあたりで…

とうとう一家が警察官に捕まる!
ところがこの警察官は、前回殺された警察官の弟にあたる人で、もはや正義感で動いてるのではなく彼の中では復讐の炎が燃えてるわけです。
一家は彼らの住んでいた家の地下室に連れて行かれ、拷問をやり返される。
やったぜ!!やっとやってやったぜ!!
って思いたいシーンなんですが、この警察官もなかなか酷い拷問をするので、なんかそこまで気持ちが乗らないわけです。
いい気味だ、くらいはあるかもしれません。

ここで、行方不明だった弟が救出に現れ、警察官は死亡、一家3人は重傷を負いながらも車に乗って、また走り始める。

そして最後、辺り一面砂漠のハイウェイを走っていると…
大勢の警察官が待ち伏せしている。
一家はそれぞれ銃を取り出して、車でそこに突っ込んでいき…みんな殺されて終わり。

このシーンが変に感動的なんですよね…。
変態殺人狂一家が殺される、それだけなのにね。かっこ良く見えちゃうんですよ…!!!
レーナード・スキナードの”FREE BIRD”がかかる、その演出によるところが大きいのかもしれませんが。
前作とは打って変わって、アメリカンニューシネマっぽい感じ。
最後なんてまんま『バニシング・ポイント』じゃねぇか!!

この妙な感動は、やっぱり前作を観ていたほうがより感じられるだろうなと思います。
いやー、面白かった!!


あまり関係ないんですが、ホラー映画の引き出しがほとんどないので…
後半の展開が熱い!2も観たいと思ってるんですが怖くて…